1.1 流体の分類と連続体近似
1.1.2 流体の分類
一般的に、液体は圧縮するのに非常に大きな力が必要であり、気体は小さな力でも圧縮
できる。[1]
(1) 圧縮性による分類
i. 液体 ⇒ 非圧縮性流体
◆ 液体の運動
✦ 圧縮しても体積および密度は変化しない。
✦ 非常に高速の運動を考えるときや音波の伝播を調査する際は圧縮性流体として
扱う。[1,2]
ii. 気体 ⇒ 圧縮性流体
i. 粘性/粘性力
上記の式を変形すると以下のように表せる。状態方程式では質量$m$[$\mathrm{kg}$]ではなく「モル数」$n$(=物質量)で定義する[4](※詳細は1.3節参照)
✦ 圧縮しても体積および密度は変化しない。
✦ 非常に高速の運動を考えるときや音波の伝播を調査する際は圧縮性流体として
扱う。[1,2]
ii. 気体 ⇒ 圧縮性流体
◆ 気体の運動
✦ 圧力の変化とともに体積および密度が変化する。
✦ 遅い流れを調査する際に圧縮性を無視できる。(=液体の流れとして扱うことが
できる)[1,2]
✦ 圧力の変化とともに体積および密度が変化する。
✦ 遅い流れを調査する際に圧縮性を無視できる。(=液体の流れとして扱うことが
できる)[1,2]
図1.1.2.1: 気体の圧縮における体積・密度変化
(2) 流体の流れによる分類
i. 粘性/粘性力
◆ 流体が流れる際に、流れ場の中に速度の違いがあれば速度を小さくする方向に働く力を粘性力と言い、流体中で粘性力が働く性質を粘性と呼ぶ。[1]
◆ 流体が運動する際には粘性力の影響を受ける。しかし、流体が高速運動をしており物体がまわりにないとき粘性力の影響は小さい。[1]
◆ 流体が運動する際には粘性力の影響を受ける。しかし、流体が高速運動をしており物体がまわりにないとき粘性力の影響は小さい。[1]
ii. 実在流体
◆ 日常身近でみられる流体。(ex.水あるいは空気・小川の流れ)圧縮性や粘性を持つ。
◆ 川岸では流体の流れが遅く、岸から離れるにつれて流速が増加する。
✦ 流体が粘性を持っていることにより起こる現象[2]
◆ 川岸では流体の流れが遅く、岸から離れるにつれて流速が増加する。
✦ 流体が粘性を持っていることにより起こる現象[2]
図1.1.2.2: 実在流体における流速分布
iii. 理想流体
◆ 粘性がなく、力を加えても圧縮できない流体。(=完全流体)
◆ 流体間での摩擦を生じるせん断力が作用しない。=渦が発生しない[2]
図1.1.2.3: 理想流体における流速分布
iv. ニュートン流体と非ニュートン流体
◆ ニュートン流体
✦ 水あるいは空気のように粘性が一定となる流体。
✦ 粘性係数$\mu$[$\mathrm{Pa\cdot s}$]が速度勾配$du/dy$に無関係で一定値をとる。[2]
▶ 速度勾配$du/dy$ ⇒ 速度$u$[$\mathrm{m/s}$]の任意の位置における速度勾配。
◆ ニュートン流体
✦ ペンキ、ポリマーなどのように粘度が高く、粘性により流速が変化する流体。[5]
✦ 粘性係数$\mu$[$\mathrm{Pa\cdot s}$]が速度勾配$du/dy$に依存する[2]
図1.1.2.4: 摩擦応力$\tau$ - 速度勾配$du/dy$
(3) 気体の分類
$\dfrac{PV}{T}=mR$
上記の式を変形すると以下のように表せる。状態方程式では質量$m$[$\mathrm{kg}$]ではなく「モル数」$n$(=物質量)で定義する[4](※詳細は1.3節参照)
$PV=mRT=nRT$
ii.実在気体
◆ 空気、窒素、水素などの気体を示す。常温・常圧では理想気体として扱う。
◆ 加圧される場合には分子を無視できない。[4]
図1.1.2.6: 実在気体の概要図
参考文献
[1]: 同志社大学工学部 水島 二郎, 流れ学, pp4-6, 2015年9月26日
[2]: 久保田浪之介 他, 今日からモノ知りシリーズ トコトンやさしい流体力学の本 NDC501, pp10-13,26,27, 2007年9月28日 初版1刷発行, 2014年6月6日 初版8刷発行
[3]: https://ja.wikipedia.org/wiki/気体
[4]: http://d-engineer.com/netsuriki/boiru.html
[5]: https://www.bing.com/images/search?view=detailV2&ccid=igHTAEQF&id=B840D9011EDCDC78AB79CE1649C62FF846602BA7&thid=OIP.igHTAEQFTVn_VVvzYKBahgHaIs&q=%e3%83%9a%e3%83%b3%e3%82%ad&simid=608036885871267220&selectedIndex=57&ajaxhist=0
[1]: 同志社大学工学部 水島 二郎, 流れ学, pp4-6, 2015年9月26日
[2]: 久保田浪之介 他, 今日からモノ知りシリーズ トコトンやさしい流体力学の本 NDC501, pp10-13,26,27, 2007年9月28日 初版1刷発行, 2014年6月6日 初版8刷発行
[3]: https://ja.wikipedia.org/wiki/気体
[4]: http://d-engineer.com/netsuriki/boiru.html
[5]: https://www.bing.com/images/search?view=detailV2&ccid=igHTAEQF&id=B840D9011EDCDC78AB79CE1649C62FF846602BA7&thid=OIP.igHTAEQFTVn_VVvzYKBahgHaIs&q=%e3%83%9a%e3%83%b3%e3%82%ad&simid=608036885871267220&selectedIndex=57&ajaxhist=0