2018年4月18日

気体の状態方程式

1.3 流体の基本的性質

1.3.5 気体の状態方程式
    通常の気体を考えたときに、ボイルの法則とシャルルの法則が成り立つ。ボイルの法則は温度一定、シャルルの法則は圧力一定の条件で成り立つ。[1] まず、ボイルの法則を考えてみよう。温度が一定のもとでピストン付きのシリンダーに気体の体積$V$が入っていたとする。シリンダーのピストンを押すと内部の気体の体積は減少する。内部温度が一定の時、気体の体積$V$は圧力$P$に反比例し、その積は一定になるはずである。つまり、

$PV=一定$


が成り立ち、これをボイルの法則と呼ぶ。[1]


    シャルルの法則は圧力一定のもとで温度が上昇すると体積も増加する。つまり、気体の体積は絶対温度に比例することになる。式で表せば

$\dfrac{V}{T}=一定$

となる。[1]

図1.3.5.1: ボイルの法則とシャルルの法則

    ボイルの法則とシャルルの法則をまとめて、ボイル・シャルルの法則といい、

$\dfrac{PV}{T}=一定$

となる。[1]

    この法則に従う理想的な気体を理想気体と呼ぶ。すなわち、$n$モルの理想気体の体積を$V$、圧力を$P$、温度を$T$とすれば、

$pV=nRT$

の関係がある。$R$は気体の種類のよらず一定で、その値は$R=8.31$ [$\mathrm{J/mol\cdot K}$]である。[1]

    流れ学では$n$モルの気体を考える代わりに$1\mathrm kg$の気体を考えることが多い。そのときは$1\mathrm kg$当たりの体積、すなわち比体積$v$を用いて、ボイル・シャルルの法則を

$pv=\overline RT$

と表す。ここで、$1\mathrm{kg}$あたりの気体定数$\overline R$ [$\mathrm{J/(kg\cdot K)}$]は物質によって異なる値をとる。ちなみに、空気の気体定数$\overline R$はおおよそ$287$ [$\mathrm{J/(kg\cdot K)}$]となる。[1]


参考文献
[1]: 同志社大学工学部 水島 二郎, 流れ学